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現在、高校生の9割以上が所持している携帯電話。子どもたちの生活の必須アイテムと言ってもいいでしょう。同時にそれによるインターネットの有害サイトへのアクセスを通じて、子どもたちが犯罪の被害者となったり、時には加害者になる道具にもなっていると言えないこともありません。
子どもたちを被害者にも加害者にもしないために、インターネットに潜(ひそ)む危険性とその対策についてお話ししたいと思います。

◆インターネット上には危険がいっぱい……
“出会い系サイト”は絶対にNO〜です。
“出会い系サイト”というのはインターネット上での異性の紹介サイトです。身元や素性(性別や年齢など)を偽(いつわ)って登録することができるので、援助交際・詐欺・恐喝など様々な犯罪の温床となっています。そして、こわいことに、被害者の9割近くが18歳未満の少年・少女なのです。
▼事件ファイル(警視庁HP参照)
1)児童買春・児童ポルノ禁止法違反事件
出会い系サイトで知り合った男性に女子児童がホテルに連れ込まれ、性交している場面等をデジタルカメラで撮影され、その画像が児童ポルノに使われた。
2)強盗・誘拐・強姦事件
携帯電話の“出会い系サイト”を通じて知りあった男性に、ドライブに誘われたところ、自動車内に監禁されたばかりか、現金を奪われ、両親に身代金まで要求された。
3)恐喝事件
“出会い系サイト”で知り合った男性に、ホテルで撮られた裸の写真をばらまくと脅され、お金を要求された。
4)不正誘引・児童買春あっせん事件
“出会い系サイト”の掲示板に書き込みをしたところ、だまされて風俗店に連れて行かれ、売春をさせられた。
メールのやり取りだけでは、相手がどんな人なのかわかりません。ネット上で知り合うことのこわさを知りましょう、教えましょう。
■【出会い系サイト規制法】について
面識のない男女が交際を希望して、インターネットを通して連絡を取り合うのが“出会い系サイト”。その利用で起きる児童買春、その他の犯罪から児童を保護し、それにより児童の健全な育成を助けることを目的に作られたのがこの法律です。
なお、この法律での[児童]というのは18歳未満の少年・少女を指します(以下も児童という表現で統一しました)。
●“出会い系サイト”の掲示板に、児童を相手方とする異性交際を求める書き込みをすることは禁止されています(第6条)。
●“出会い系サイト”の掲示板に、児童を性交の相手方とする交際を求める書き込みをした人や児童を相手方とする金品を目的とした異性交際を求める書き込みをした人は処罰の対象となります。
●児童が“出会い系サイト”を利用することは認められていません(児童も処罰の対象になります)。
●“出会い系サイト”の運営者には以下の義務があります(第3条・第7条から第14条まで・第16条)。
*届出(事業所のある都道府県警察署長を経由して都道府県公安委員会に事業開始届を提出)
*利用者が児童でないことの確認
*禁止誘引行為にかかわる書き込みの削除等

◆ご家族で話し合ってみませんか? 確認しませんか?
■児童のみなさんに伝えてください。
(1)“出会い系サイト”は見ないこと!!
携帯に届いた“出会い系サイト”の勧誘メールは興味があっても見ないこと。〈迷惑メール設定〉をするなどして、「危険」には近づかないこと等々

(2)“出会い系サイト”の掲示板には書き込まないこと!!
「匿名だから安心」と安易にメールに返事をしないこと

(3)相手に絶対に会わないこと!!
会う=危険、犯罪に巻き込まれるという認識をもたせること
■〔ネット犯罪〕から児童を守るために……
●保護者には→児童が“出会い系サイト”を利用しないように必要な措置を取る責任があります(法4条 〈保護者の責務〉)。
*児童がネット上の有害サイトへアクセスできないように携帯電話のフィルタリングサービス設定をしましょう。
●プロバイダ等は→フィルタリングサービスの提供等に努めなければならないこととされています(第3条第2項及び第3項)。

◆“出会い系サイト”以外にも、ネット上の危険はいろいろあります。
☆迷惑メール/
突然、知らないメールが送りつけられてくるのが、迷惑メールです。興味をそそられるような文章が書かれたhttp付きのメールが多く、アクセスすることによって、“出会い系サイト”や有料サイトに登録されたりします。
最近ではmixiやfacebookなどの個人ページにメールが届き、返信することによって、迷惑メールが頻繁に届くようになったりするケースがあります。
☆プロフ・ゲームサイト/
最近、児童の間でネット上に自分のプロフィールを無料で登録できるホームページがはやっています。掲示板のようなスタイルで閲覧、書き込みが自在に。会ったことのない人からメールが届き、メールのやり取りをしているうちに会うことになり、被害にあう場合もなきにしもあらずです。
「ゲームサイトで遊んでいるだけ」と思っていても、誰でも簡単に書き込みができてしまうということを認識する必要があります。
▼事件ファイル(警視庁HP参照)
(1)プロフィールサイトで「アルバイト募集」の書き込みを見てアクセスした児童が、風俗店で働かされた。
(2)ゲームサイトで知り合った男性と会った少女が暴行を受けた上、裸の写真を撮られ「学校や親に送りつける」と脅された。

◆インターネット上のいじめが《ネットいじめ》です。
匿名性があるため、誰が書き込んでいるかわからないこわさがあり、誰もが被害者になる可能性をはらんでいます。
●学校裏サイト
学校の公式のHPとは別に、学校の内部の話題を扱う匿名の掲示板のことです。同じ学校の生徒の実名を挙げて誹謗(ひぼう)中傷したメールを他の生徒に送りつける行為が社会的な問題となっています。相手を傷つけるような過激な書き込みが繰り返され、現実の生活においてもいじめが発生するきっかけになる場合もないことはありません。
しない!!させない!!書き込みによる名誉棄損……今一度、表現の自由は無制限に保証されるものではないということをしっかり話したいですね。
■【プロバイダ責任制限法】について
権利侵害情報が掲載されていて……
(1)被害者側からは情報の発信者がわからない場合/
プロバイダに削除依頼をすることができる。

(2)それを受けたプロバイダはそれを情報発信者に照会し、7日間経過しても発信者から同意が得られなかった場合/
該当する情報の公開を止めたり削除するなどの措置をとることができる。この措置によって発信者に損害が生じても賠償責任は負わない。

(3)被害者は損害賠償請求権の行使に情報発信者の氏名や住所などが必要である場合/
正当な理由があれば、情報開示をプロバイダに対して求めることができる。
サーバーの管理者は、有害情報や権利侵害情報を児童が閲覧できないような措置をとることが重要です。

◆悪質なサイトには悪質な料金請求が発生することを知ってください。
●自動課金/利用料金がマイナスになっても、本人の承諾なしに自動的に課金されるシステム
*メールの送受信に料金がかかるサイトの場合、最初にいくらか入金しますが、残高がなくなっても利用でき、勝手に課金され、後で請求が来るというケースです。
●同時登録/登録した時に他のサイトにも自動的に登録される
●退会できない/退会の方法が存在ない。退会申請しても手続きされない
●退会料金発生/入会・登録には費用がかからないが退会の際に料金が発生する
●架空請求/利用していないサイトからの料金請求
*架空請求の場合は無視するのが一番。悪徳業者がIPアドレスのみで個人を特定することは不可能です。うっかり、個人情報を相手に伝えないように注意ましょう。
■【電子消費者契約法】について
これはインターネット商取引などにおける消費者の操作ミスの救済、契約の成立時期の転換などを定めたものです。パソコンやインターネットの普及につれ、パソコン操作を誤ったりすることによる消費者トラブルが増えていることを背景にした法律です。
例えば★「無料」と思ってクリックしたら「有料」で代金を請求されてしまったというケース★1個注文したつもりが11個注文したことになっていてトラブルが発生したケース……事業者がそれらを防止するための適切な措置をとっていない場合は消費者からの申込み自体が無効です。ワンクリック契約などもこれに該当します。
携帯電話やインターネットの普及により、生活はとても便利になりました。が、その反面、簡単に利用できるが故に、保護者の管理の届かないところで児童が被害にあったり、犯罪に巻き込まれてしまう危険が身近にあるということをよく認識し、折りにふれ、児童にも伝えておきたいものです。

◆困った時はひとりで悩まず、まず相談をしましょう
1)24時間いじめ相談ダイヤル(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/02/07020919.htm
2)法務局・法務省子どもの人権110当番
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken20.html
電話120-007-110(全国共通)
相談受付時間/平日8時30分〜17時15分
3)各都道府県警察本部少年サポートセンターの少年相談窓口
(都道府県警察の「少年相談窓口」の電話番号が掲載されています)
http://www.npa.go.jp/higaisya/shien/torikumi/madoguchi.htm
*奈良県では……
ヤング・いじめ110番
電話0742-22-0110
相談受付時間/平日(月〜金)8時30分〜20時
土・日・祝8時30分〜17時
4)警視庁少年相談室:ヤングテレフォンコーナー
電話03-3580-4970
相談受付時間/平日(月〜金)8時30分〜20時
土・日・祝8時30分〜17時
5)日本いのちの電話連盟
6)チャイルドライン
(18歳までの少年・少女の相談を受けるものです)
執筆:行政書士 松塚百合恵 2011年6月1日現在の情報に基づきます