自分の働く場所を自分で作る……
チャレンジするあなたに事業を始めるルールを伝えます。
「新会社法」が施行されて約1年が過ぎ、世の中では〈独立・起業〉という言葉が昔に比べればずいぶん身近になってきました。書店のビジネス書コーナーにも、事業を始めるためのノウハウ本が所狭しと並んでいます。〈週末起業〉や〈ネット起業〉という言葉も徐々に市民権を得てきました。
「新会社法」では、法人設立のための必要な条件が大きくゆるめられました。
より少ない資本(1円から)、より少ない人数(1人から)で《株式会社》を作ることができるようになったのです。それが〈独立・起業〉ブームをさらに加熱させている要因のひとつになっているといえるでしょう。
とはいえ、『自分で事業を始める』ことはまだまだ一般的ではありません。やはり『仕事をする=従業員として就職をする』と考えるのが常識的でしょう。
でも、勤めをやめて、自分で会社を設立し「社長」になるチャレンジャーが今、この瞬間にも存在しているという事実は見過ごせません。そして、そのチャレンジャーは男性とは限らないのです。
現在の日本社会では残念なことですが、女性が仕事を続けていくにはまだまだ厚い壁がたくさんあります。
結婚や出産ばかりではなく、今後ますます増えると思われる介護による離職……「雇用」という、一定時間の拘束を前提とした就職形態を考えると、それは必然的に起こってしまうことなのでしょう。
そんな中、自由で柔軟な発想と高いモチベーションを持った女性起業家(事業を始める人)がいろいろな分野で活躍し始めています。その動きは日本社会における女性にとっての「厚い壁」を少しずつぶち破りつつあるようです。しかも、その女性たちは、決して特別な存在ではありません。OLだったり、お母さんだったり、近所のおばあちゃんだったり……
では、彼女たちに事業を始めさせた力はいったい何だったのでしょうか?
答えは簡単。『自分の働く場所を自分で作るという発想』をしたことなのです。
◆事業形態は大きく分けて2つです

それでは、実際の具体的な〈起業〉とはどのようなものなのでしょうか?
まず、大きく分けて「個人事業の開業」と「法人設立」があります。
基本的に「個人事業」は、開業も廃業も事業主が自由に決めることができます。ところが、「法人」として開業するのには「設立」という手続き、廃業するのには「清算」という手続きを行わなくてはなりません。手続きには手間と費用がかかります。しかし、「法人」にすることによるメリットもたくさんあります。
一口に「法人」と言っても、種類は様々です。現在設立ができる主な「法人」としては
があげられます。
さらに、法人格はありませんが、それに準ずる位置にある
という制度もできています。
そして、それらとは少し性格の違う、
という形態も一般に知られるようになってきました。
それぞれに、設立の仕方や運営、課税の方式などが違っており、どれを選ぶかによって、その後の事業展開に大きな違いが出てきます。
開業の形態としては個人事業と各種法人……簡単にどれがいいと言い切れるものではありません。その事業内容や周辺の状況、将来展望などから総合的に判断する必要があるでしょう。
◆ 法人設立のためのルール

では、一般的な開業までの流れをチャートにして見てみましょう(NPO法人については省略します)。
「法人」を設立するためには、「個人事業」に比べていろいろな手続きが必要なのがよくわかると思います。
事業を始める前に【会社の憲法】ともいわれる【定款】(LLPでは有限責任組合契約書)を作成することになりますが、これは後々の会社運営の基本になる重要なものですから、商法にのっとって作成しなければなりません。内容を変更するには、手間や費用があらためてかかります。後になってできるだけ不都合が出ないよう、事業計画から定款作成までの過程は、あせらずじっくりと検討したい部分です。
株式会社の設立に関しては、公証人による「定款の認証」という手続きがありますが、認証の手数料として5万円、印紙代として4万円が必要になります。ただし、現在では「電子認証」で、印紙代を節約する方法も取れるようになりました。
設立登記に関しては、株式会社・LLC・LLPの全てで、法務局への登録手数料として最低6万円(資本金の額によって変動します)が必要です。
こうして見てみると、最低資本金制度がなくなっても、設立のための費用は法定手数料だけでも最低でも10数万円になることがわかります。
◆ 営業開始までのルール
法人設立・開業の手続きだけで即、営業が始められるかというと、必ずしもそうとは限りません。「許認可」の必要な業種があるからです。
例えば、飲食店を始めるなら保健所で「食品衛生法に基づく飲食店営業許可」を取らなければいけませんし、リサイクルショップなら警察署で「古物営業法に基づく古物商許可」を取る必要があります。
開業を計画している事業に許認可が必要なのか。必要だとすれば、それにどれくらいの時間と費用が必要なのかということを事業計画を立てる時点で確認をしておくことが大切でしょう。
指定居宅介護支援事業者の指定を受けるには申請から約1ヵ月かかり、人材派遣業許可を取るための要件としては、最低でも自己資金で1千万円くらいは必要です。
◆ 完全成果主義であるというルール
〈起業〉は夢を実現するためのひとつの手段です。しかし、大きなリスクを背負っているということも決して忘れてはいけません。起業1年目の廃業率は30%とも40%ともいわれています。
実際に事業を始めてしまえば、完全能力主義です。男性も女性もありません。毎日2時間だけ働いて成果を出す人もいれば、20時間働いても資金繰りに苦しむ人もいます。
『こうすれば必ず成功する!』というマニュアルはありません。
自分の力を信じ、自分で努力していける人にこそ成功はやってくるのです。
わたしたち行政書士は、そんな起業家のパワーを最大限に発揮できるよう、法人設立や許認可申請等のお手伝いやアドバイスをさせていただいております。
起業を考える場合、身近な相談相手として活用していただければ幸いです。






