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PROFILE
奈良県生まれ。中山園芸代表。農業大学校を卒業後、小菊生産農家の家業を継ぐ。その後、花壇苗と野菜苗の企画生産に転向し、関西の量販店市場を中心に出荷するほか、道の駅での直販も行う。環境にやさしく、家庭でも育てやすい野菜の提供に取り組んでいる。2008年、奈良県の野菜苗農家で初のエコファーマー認定。
中山園芸



信貴山麓の豊かな自然に抱かれた町で農業を営む中山晴雄さん。その農場では、奥さんやパートさんたちが楽しそうに農作物の世話をしています。レタス、小松菜、水菜……ハウスの中の野菜苗は、元気いっぱい。色とりどりのパンジーも、いきいきと花を咲かせています。「どれも、環境に配慮した栽培方法で育てています。」と中山さん。
中山さんは農業大学校を卒業後、しばらく家業の小菊生産を手伝っていました。「菊の生産には農薬を使います。その栽培方法に、だんだん不安と疑問を感じるようになりました。」他との差別化のためにも、環境や安全性に配慮した農業を模索するようになります。
化学肥料や農薬をできるだけ使わずに、元気な花や野菜を育てるのには手間がかかります。害虫を防ぐには、木酢液やニンニク液など自然素材のものを使用するほか、防除ネットや補虫灯などの道具も工夫して活用。土づくりにも力を入れ、牛糞や籾殻を発酵させたオリジナルの土を使用しています。このような努力の結果、2008年に奈良県の野菜苗農家で初のエコファーマー(土づくりや減化学肥料、減農薬などの環境にやさしい農業に取り組む計画を策定し、都道府県知事に認定を受けた農家)に認定されました。


小菊生産から転換して、花壇苗を手がけるようになったきっかけは、ある冬の朝のこと。「雪に埋もれたパンジーが、太陽をあびて立ち上がる姿に胸を打たれて、栽培したいと決意しました。」1990年に大阪で開催された「国際花と緑の博覧会」を契機に、ガーデニングブームで花の需要は大きく伸びました。しかし最近は“花より団子"の傾向が明らか。「同じ育てるなら、野菜など食べられるものを、という方が増えています。」そんな消費者の嗜好の変化にあわせて、家庭で手軽に、楽しんで育てられる野菜苗の種類を増やしています。
ホームセンター向けの生産が中心ですが、去年から「道の駅大和路へぐり くまがしステーション」での販売にも力を入れています。「なんといっても、お客さまと直接ふれあい、声が聞けることがうれしいです。」と奥さん。最近は植物を育てたことがない人も多いので、アドバイスすることもあるそうです。
レタス数種を寄せ植えにしたものは、ほしいときに新鮮なものが食べられると人気です。町内で生産し、ハウスから直接届けているので、野菜苗も花も新鮮で元気。「何でも低価格傾向の昨今ですが、たとえ他より少々高くても、一度買ってくれた人は良さをわかってくれて、リピートしてくださる方もいます。」

「中山さんところの苗はよかった」というお客さまの声が、何よりの糧だといいます。けれど、農業も厳しい時代。「どんなに安全でおいしい野菜でも、虫食いだと市場では商品にならないのが難しいところです。」そんな思いを抱えながらも、消費者が楽しんで育てられるアイデア商品の開発や、販路の拡大に日々努力しています。
花より団子とはいえ、花はやはり心を癒してくれるもの。自分がパンジーに勇気づけられたように、お客さまの花壇でもきれいに咲いてくれることが、中山さんの願いです。「花がある街は、人の目が行き届いて、子どもたちが安心して過ごせる街だと思います。もっと花を育てる人、庭いじりをする人が増えてほしいですね。」
道の駅の生産者の会会長も務める中山さんは、今後、地産地消の推進にも意欲をもっています。「地元でとれた安全な食べ物で、きちんとした食生活をしてほしい。そのために、安心なものを提供できる苗屋になりたいと思っています。」

・ 初心者には、浅いプランターでも育てやすいリーフレタスなど、葉もの野菜がおすすめです。
・ ポット苗からプランターなどに植え付けるとき、苗に根がたくさん重なっている場合は、底の部分だけはぎとってから植え付けると、新根が発生しやすく根付きがよくなります。
・ マリーゴールドやゼラニウムなどは、独特の臭いで虫を遠ざけるといわれています。これらのコンパニオンプランツを一緒に植えることで、化学薬品を減らしてエコな菜園づくりを楽しむことができます。