もしものために 応急手当入門

料理でやけどをしたり、スポーツでねんざをしたり、大きな災害や事故ではなくても、私たちのまわりにはけがの原因がたくさんあります。突然のけがや病気に見舞われても、応急手当の方法を知っておけば、あわてずにすみます。今回は、もしものときに役立つ、初歩的な応急手当の方法についてお届けします。

私にもできる応急手当

やけど

やけどをしてしまったら、すぐに水道水などきれいな流水で痛みが軽くなるまで冷やしましょう。衣服の上からやけどをしたときは脱がしたりせず、衣服ごと流水で冷やします。また、冷やしているときに寒気を感じた場合は冷却を中断します。

アドバイス

水ぶくれができているときは、つぶしてしまうと雑菌が体内に入る恐れがあるので、水ぶくれをつぶさないよう、流水の量を調節しながら冷やします。

出血

傷口に清潔なガーゼやハンカチを当てて強く圧迫します。市販の伸び縮みする包帯を強めに巻いてもよいでしょう。出血量が多く、ガーゼが血液で濡れてくるときは、さらにその上に新しいガーゼを重ねて圧迫を続けます。出血量が少ないのにガーゼが濡れてくるときは、圧迫する場所が傷口からずれているか、圧迫する力が弱い場合もあるので、確認して圧迫し直します。

止血

アドバイス

手当をする人は感染症を防ぐためゴム手袋を着用するか、なければビニールのレジ袋を手袋代わりにするなど、血液に直接触れないよう注意しましょう。

ねんざ

患部を冷水などで冷やすことで、内出血や腫れを軽くし、痛みを和らげる効果があります。アイスパックなどを使う場合は、患部との間にタオルをはさんで直接触れないようにし、約20分を目安に冷やしましょう。ねんざをした場所は無理に動かさないよう気をつけ、三角巾などを使って固定します。ねんざと骨折は見分けが付きにくいこともあるので、念のため副木(そえぎ)をしておきます。

ねんざ

アドバイス

副木がないときは厚めの雑誌や段ボールなどで代用できます。腕を吊るための三角巾は、レジ袋の左右を切り開いても代用できます。

ひきつけを起こした

ひきつけを起こした場合は、ベルトや衣類をゆるめて楽に呼吸ができるようにします。また、横向きに寝かせて口の中にたまった唾液などを外に出しやすくします。舌をかまないように割り箸やハンカチ、手ぬぐいなどを無理に口の中に押し込んだりすると嘔吐することがあり、かえって危険なので避けましょう。大声で叫んだり押さえつけたりして刺激を与えないようにし、ぶつかると危険なものは周囲から退けます。

アドバイス

お子さんのひきつけは、多くが発熱によるものです。熱が高いときは頭や首、脇の下などを氷で冷やし、体には毛布を掛けて冷えすぎを防ぎます。お子さんが初めてひきつけを起こしたときは原因などを知るためにも、医師の診察を受けるようおすすめします。

ものがのどにつかえた

ものがのどにつかえた

食べものや異物がのどにつかえた場合、咳ができる状態であればできるだけ咳を続けて詰まったものを取り除くのが効果的です。咳ができない場合は、頭を前屈みに低くさせ、手のひらで左右の肩胛骨の間を何度も力強く叩きます。窒息したまま呼びかけに反応がなくなり、普段のような呼吸をしていない場合は心肺蘇生が必要です。

心肺蘇生法の手順はこちら(大阪市消防局のサイトへ)

アドバイス

各市町村の消防署でもAED(自動体外式除細動器)の使用方法を含めた応急手当の講習会を開催しています。受講を希望する場合は、地域の消防本部または最寄りの消防署に問い合わせましょう。

日常生活の危険を予防する

家庭内でのけがは意外に多く、65歳以上のお年寄りのけがの53.6%が住宅内で起こっています。特に多いのが、転倒や転落で80.3%を占めます(大阪市消防局 平成20年データ)。階段から転落したり、お風呂場での転倒や床に落ちているレジ袋で滑って転倒したりと、思わぬところに危険が潜んでいます。
そのため、家庭内の段差をなくす、手すりを設ける、階段に滑り止めを付けるなどの対策を取るほか、歩きやすいよう部屋を整頓し、滑りにくい靴下やスリッパを履くなど、普段からの工夫や注意で事故を予防しましょう。

アドバイス

突然のけがや病気で、「病院に行ったほうがいいのかわからない」「救急車を呼んだほうがいいのかわからない」「救急車を呼ぶほどではないが、見てもらえる病院がわからない」など、迷った場合、大阪府では「救急安心センターおおさか」へ電話すれば、救急病院の案内など救急医療の相談が受けられます。(受付は24時間、年中無休。大阪府内の一部地域を除いて利用可)
救急安心センターおおさか ♯7119 または TEL:06-6582-7119

万一のために 関西電力の備え

けがや病気はいつ、誰にでも起こりうるものですが、応急手当の方法を知っていれば、落ち着いて対応できるだけでなく、その後の経過も変わってきます。いつ起こるかわからない地震、台風、雪、豪雨、雷などの自然災害に対しても同様に、日ごろから万全の備えを図ることで、被害も最少ですみ、早期復旧が可能になります。

関西電力では電気を安定して供給するため、災害に強い設備づくりを行うとともに、早期復旧が可能な防災体制の確立に取り組んでいます。
発電所などの電力供給設備は地震や台風、浸水などによって大きな被害が生じないよう、設計されています。例えば、網の目のように構築された送電線のネットワークにより、一部にトラブルが起こっても別のルートから送電することが可能です。

訓練における対策本部
訓練における対策本部

また、災害の発生が予想される場合には警戒本部を設置、災害が発生した場合や震度6弱以上の地震が発生したときは非常災害対策本部を設置するなど、状況に応じた防災体制を迅速に整えます。さらに、来るべき大規模地震災害を想定した訓練を重ねながら、あらゆる視点から防災対策を検討しています。

関西電力の防災対策については「関西電力グループのCSRレポート」へ

今回、ご協力いただいたのは

大阪市消防局

大阪市消防局では今後の課題として、高齢化の進展や疾病構造の変化、救急に対するニーズの高まりなどにより、今後も増加が予測される救急への需要に対応しながら、適正な救急業務の推進に努め、尊い命を守るための体制づくりに市民とともに取り組んでいくことを掲げています。特に、予防救急の推進や救急安心センターの設置と運用、応急手当の普及啓発、救急救命処置の高度化と円滑な救急搬送体制の構築など、救急に関する施策を総合的に推進して救命率の向上を図ることを目指しています。
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