2010年は奈良に都が移されて1300年の節目の年です。奈良県ではこれを記念し、平城遷都1300年祭を開催、メイン会場の平城宮跡をはじめ各地でさまざまなイベントが催されます。日本の文化や歴史、海外との交流などさまざまなテーマに触れられる絶好の機会です。この春は奈良を訪れて、いにしえの都に思いをはせてみませんか?
奈良の街には1300年前をしのばせる名所旧跡があちこちにあります。この機会に平城京ゆかりのスポットを巡って歴史を体感してみましょう。

近鉄大和西大寺駅から新大宮駅まで、線路をはさんで続く広大な空間は奈良時代の都の中心、平城宮の跡です。710年の平城京遷都から784年の長岡京遷都まで、日本の政治の中心地でした。1960年から本格的な発掘調査が開始され、1997年に埋蔵文化財としてユネスコの世界遺産にも指定されました。
南側に堂々とそびえるのは復原された朱雀門で、平城宮の正門にあたります。線路の北側には美しい朱塗りの建物と池が復原された東院庭園のほか、遺構展示館や平城宮跡資料館などがあります。
平城宮跡資料館は4月24日リニューアルオープン予定。また、平城宮の中心的建物だった大極殿も復原され、1300年祭にあわせて完成します。

平城宮・東院庭園の東側にある法華寺は、飛鳥時代から奈良時代にかけての公卿、藤原不比等の邸宅跡に、光明皇后が総国分尼寺として創建した寺です。今年は光明皇后1250年大遠忌の年にあたり、光明皇后の姿を写したと伝えられる国宝の十一面観音立像が特別に公開されます(5/1~9、6/5~9)。
6月9日までは仙洞御所の庭園を客殿とともに移築した名勝庭園も公開中です。

海龍王寺も藤原不比等の邸宅跡にあり、法華寺の東北に隣接しています。飛鳥時代に建てられた寺ですが、その後光明皇后によって海龍王寺として改めて創建されました。室町時代に建てられた表門や参道の築地塀などに歴史を感じます。今年は普段厨子内に納められていて拝観できない重要文化財の十一面観音立像が特別に公開されます(5/1~9)。

聖武天皇の皇女、称徳天皇の発願により建立された寺で、平城宮跡の西に位置します。奈良時代には壮大な伽藍を誇り、南都七大寺のひとつとして栄えましたが、平安時代一時衰退、後に再興されました。現在の建物は江戸時代に再建されたものです。4月23日から5月31日まで重要文化財で鎌倉時代作の秘仏・愛染明王坐像が公開されるほか、11月15日まで通常非公開の愛染堂客殿を公開、障壁画などを見ることができます。
長年にわたり発掘調査が行われてきた平城宮跡からは、大量の木簡が出土しています。そのうちの荷札として使われた「贄札(にえふだ)」の中に、「若狭國遠敷郡青里御贄多比鮓壹かく」と記されたものが見つかりました。現在の福井県高浜町から鯛の寿司を献上したことが記されており、若狭・高浜と平城京のつながりが、1300年前からあったことが明らかになっています。
高浜町では平城遷都1300年祭を機に、4月20日から24日にかけて高浜から奈良までの130キロの道のりを、当時の様子を再現した行列が塩と鯛ずしを運ぶ「御贄(みにえ)献上行列」を行います。
また、イトーヨーカ堂奈良店では4月21日から26日の間「若狭高浜御贄物産展」も開催され、新鮮な海の幸をはじめ若狭の特産品を販売します。
平城遷都1300年祭は、奈良県全域を会場に、多彩な催しが行われています。ここではメイン会場の平城宮跡会場のイベントをご紹介しましょう。
大極殿が復原された平城宮跡を舞台に、古代からの国際交流や平城京の歴史・文化などを、体験を通じて実感することができます。

平城京の時代、国際交流の担い手となった遣唐使船を原寸大で復原、展示しています。大きさは全長約30メートル、マスト高約15メートルあり、実際に船の上を歩くこともできます。
また、平城京VRシアターでは外国使節団が見た壮麗な平城京を、最先端技術を使ったバーチャルリアリティ(VR)映像で再現。そのほか、奈良時代の国際交流や日本の国づくりについての映像展示や、遣唐使のアニメーションなどで当時の様子を知ることができます。
平城京の人々の暮らしをさまざまな形で体験することができます。

- 疑似発掘体験…発掘現場を再現、遺物(模造品)を探す体験ができます。
- 体験工房…奈良ゆかりの伝統工芸などを通して、歴史・文化を体験できます。
- 平城宮仕事体験…奈良時代の書類だった木簡を作成、当時の役人の仕事について学べます。
- 天平衣装体験…再現された天平時代の人々の衣装を着て、VR映像を背景に写真撮影が楽しめます。
(天平衣装体験は南門広場でも実施。第一次大極殿や前庭を衣装で散策することができます)

期間中はボランティアガイドが当時の文化や人々の様子などを紹介する「平城宮跡ガイドツアー」、や「平城宮跡周辺ウオーキングツアー」、第一次大極殿や東院庭園、朱雀門などの見どころでボランティアが案内をしてくれる「平城宮跡定点ガイド」、携帯端末を使って気軽にガイドが聞けるセルフガイドシステムなどが用意されています。
期間中は季節ごとにフェアが開催され、1300年祭を一層盛り上げます。
毎年平城宮跡で開催される平城(なら)遷都祭、1300年の今年はさらに魅力いっぱいです。1300人が天平衣装に身を包んで練り歩く「天平行列」(5月3日、9日)のほか、大人から子どもまで1300人が体を使って音を奏でる「ボディドラム」(5月4日)、「武道演武」(5月2日、5日)、万葉の食に出合える「大和・食の体験館」(5月1日、2日)など見どころ満載です。

平城宮跡各所が花や緑でいっぱいになる催しです。万葉集に詠まれた植物を使い、万葉集や万葉植物を紹介する「万葉華しるべ」、古代の色をテーマにした市民参加型のコンテナ花壇を設ける「千人万華」、「子ども花迷路」など、春色が会場にあふれます。
古代、男女が愛を語る習俗として行われていた歌垣は奈良時代には宮廷で行われる芸能に発展しました。これを現代風にアレンジ、歌や踊りを織り交ぜたミュージカル風のステージを繰り広げます。
平城遷都1300年祭を応援する関西電力では、2010年1月22日、奈良支店による「平城遷都1300年祭 かんでんクラシックNARA2010チャリティーコンサート」を開催、マスコットキャラクターの「せんとくん」も来場し、お客さまを出迎えました。

コンサートでは大阪フィルハーモニー交響楽団が平城遷都1300年祭公式テーマソング「ムジカ」をはじめ、ボロディンの「中央アジアの草原にて」やチャイコフスキーの「交響曲第5番」などを演奏、チャリティー募金として93万1175円が寄せられました。この募金は奈良県内の社会福祉施設へのIHクッキングヒーター寄贈と、奈良県中央善意銀行への寄付に使われます。
このほかにも関西電力では文化財の保護をはじめ、さまざまな活動を通じ、地域社会の発展に貢献しています。
社団法人平城遷都1300年記念事業協会 広報室主任 小林悟さん
「平城遷都1300年祭」は、長い年月日本の歴史と文化が受け継がれたことを喜び、過去、現在、未来の日本を考える催しです。期間中は通季イベントのほか、季節のフェアも実施します。夏の「光と灯りのフェア」、秋の「平城京フェア」と催しが続きます。何度でも足を運んでいただければと思います。
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