未来の地球が変わらず緑豊かな星であるために、子どもたちに自然を大切にする心や、命を尊ぶやさしい気持ちを伝えたいものですね。今回は、小さなお子さんにも自然や環境についてわかりやすく伝えられる、おすすめの絵本をご紹介します。絵本を通して、ご家族で心温まるひとときを過ごしてはいかがでしょうか。
今、地球は温暖化をはじめ、緑の減少、生態系の破壊といったさまざまな環境問題にさらされています。「私たちにとって、本当に大切なものとは何か」、ここに紹介する絵本には、そんなメッセージがあふれています。
1本の大樹が同じ構図で繰り返し登場する、文字のない簡素な作品です。ページをめくるたびに季節が少しずつ移り変わり、大樹がその姿を変えていきます。周囲の草花の成長、動物の生態が、分かりやすく表現されています。

絵本はページを順にめくらないといけないということはありません。春のページで一斉に芽吹く草を見たら、前のページに戻ってよく観察してみましょう。大地の中で春の訪れを待ちわびる種のささやきが聞こえるようです。そんな小さな発見を、子どもたちと楽しめる一冊です。

表紙をめくると、扉のページに登場する小さな文字「コオロギにとってたいせつなのは くろいということ」。さらに、「グラスにとってたいせつなのは むこうがわがすけてみえること」というように、スプーン、りんご、風、雲など、日常、目にするひとつひとつのものを自由な感性でとらえながら、「たいせつなのは…」と語りかけます。最後に、大きな文字で描かれているのは、「あなたにとってたいせつなのは─」。

半世紀も前に出版された絵本ですが、あるがままであることの大切さに気づくことは、今の日本にこそ必要なのかもしれません。お子さんだけでなく、自分のため、家族のため、周囲の人のために、読んでみてあげてはいかがでしょうか。
この作品は、「ぞうさん」「やぎさんのゆうびん」の童謡で知られる詩人、まど・みちおさんが1972年に発表した詩を元に、2008年に生まれました。絵は染色家の柚木沙弥郎さん。やしの木の成長をとおして、あらゆる生命がつながり合い、自然循環している様子を、子どもにも分かるような言葉で表現しています。絵の具のにじみ、ぼかし、大胆な構図は染色家ならでは。第56回産経児童出版文化賞の美術賞を受賞しています。

アメリカ北西部で暮らす先住民・酋長シアトルの有名な演説を、アメリカ絵本界の巨匠、スーザン・ジェファーズが描いた壮大な絵本です。「われらは知っている 大地はわれらのものでなく われらが大地のものであることを」―生命はすべて自然に生かされている、という彼の言葉は、時を越え、民族を超えて、現代人に語りかけます。一見、子どもには難しいと感じられるかもしれませんが、繊細な絵が大自然や、その中でたくましく生きる先住民の精神をあざやかに伝えてくれます。世代を問わず、子どもから大人まで幅広く愛され続ける作品です。

「子どもがなかなか絵本を好きになってくれない」「絵本を読んでも集中しない」という声は多いものです。充実した絵本タイムにするには、大人のちょっとした心がけが必要です。本来、子どもは好奇心に満ちているもので、みんな絵本が大好き。さあ、子どもが夢中になる絵本の読み方を今日からはじめてみませんか。

絵本を読むときは、大人も子どもも同じ方向を向き、肌のぬくもりが伝わるようなスタイルで読むのが一番です。例えば膝の上に子どもを抱いて、同じ目線でお互いの鼓動を感じ合いながら物語を聞いていると、子どもは安心して絵本に集中できます。また、大人は忙しいとつい、機械的に読んでしまいがちです。絵本を楽しむ心のゆとりも大切にしましょう。
絵本はイマジネーションにあふれています。前述の『木のうた』のような文字なしの絵本は、見る人それぞれの想像力をかきたてます。絵本を読みながら、子どもと大いに語り合いましょう。「読み聞かせ」というよりは、「読み語り」という言葉がふさわしいのかもしれません。子どもとたくさんの言葉を交わし合い、絵本を指差しながら一緒になって楽しみましょう。

子どもは、何度も同じ絵本を読みたがるものです。なぜなら、同じ本でも読むたびに新しい発見をしているからです。だから、無理に新しい作品に誘導する必要はありません。
絵本には主となるテーマ以外にも、作家が仕掛けるサブストーリーがいっぱい。絵から読めるものもたくさんあります。「こんなところに、小鳥の巣が!」「さっきページの端っこにいた子猫がついて来てる!」など、子どもと絵本を読んでいると、その優れた観察力に驚かされることでしょう。
大勢の子どもの前で読むなら、紙芝居がおすすめです。もともと集団で読むために作られているので、絵も遠目にはっきりとわかるように描かれています。劇場の雰囲気も作りやすく、子どもの期待感も高まり、絵本を読む習慣のない子どもでも集中しやすくなります。
「ひょうごエコプラザ」では、環境をテーマにした紙芝居を数多くそろえ、兵庫県民ほか、事業所、団体、学校などの環境学習用に貸し出しています。

うみがめマリンの大冒険
美しい砂浜で生まれたマリン。海の中で、ビニール袋を海草と間違えて食べてしまったから、さぁ、大変!
(海上保安庁/企画・制作)
関西電力では、CO2の削減や地球温暖化防止など環境問題に対する取組みの一環として、環境意識啓発の情報発信を行っています。小学校5、6年生を対象にした「かんでんeキッズクラブ」では、省エネ学習や自然体験会など多彩なプログラムを通して、環境について考え、行動する機会を提供しています。また、関西電力のPR館のひとつ「エルガイアおおい」では、キャラクター「白クマくん」による地球温暖化を解説したパネルを展示。環境絵本として「白クマくん」の冊子も制作し、子どもたちから好評を得ています。

梅花女子大学 大学院 文化表現学部児童文学科教授 香曽我部 秀幸さん
現在、絵本学会の理事も務めている香曽我部さんは、絵本の視覚表現や、明治大正期の絵本を中心に幅広く研究しています。
「絵本はできれば、繰り返し読んであげたいものです。ご家族の方が大好きな一冊を、ぜひお子様に読んであげてください。時にはご夫婦での読み合いも良いものです。聞く側の気持ちが分かり、家族の絆も深まります」
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ひょうごエコプラザ
兵庫県の環境に関する情報の窓口ともいえる施設です。環境学習のための講師紹介や、ひょうご出前環境教室の受付、また、パネル・紙芝居・DVDなどの啓発ツール提供を通じた環境学習支援のほか、環境活動やイベントの相談にも対応しています。環境について興味がある人は、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
※環境学習用器材の貸し出しなど、施設利用についての詳細はHPを参照ください。
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