秋も深まり、温かい飲み物がおいしく感じられる季節になりました。豊かな香りと深いコクのコーヒーは、あわただしい日常にくつろぎのひとときをもたらしてくれます。今回は、おうちでコーヒーを楽しむためのコツをご紹介しましょう。
お話/大阪珈琲商工組合専務理事 アラブ珈琲株式会社代表取締役 西埜伊宜さん
近ごろ、ご家庭でもコーヒーを豆や器具、入れ方にこだわって楽しむ人が増えているそうです。少しだけコーヒーのことを知っておけば、その一杯がもっとおいしくなります。

コーヒー豆はアラビカ種とロブスタ種、リベリカ種に大別されます。世界総生産の約70%がアラビカ種で、残り20~30%をロブスタ種が占め、リベリカ種はごくわずかです。
コーヒー豆の原産地は、赤道をはさんで北緯25度、南緯25度のあいだの「コーヒーベルト」と呼ばれる亜熱帯地域に集中しています。このエリアは、高山の中腹や高原地帯など寒暖の差の激しい気候が特徴で、コーヒーの木を栽培するのに最適といわれています。
| 銘柄 | 生産国 | 特徴 |
| キリマンジャロ | タンザニア | 強い酸味と甘味のバランスがよい、香りとコクに恵まれた豆です。 |
| コロンビア | コロンビア | やわらかな酸味があり、バランスのよいまろやかな味わいです。 |
| ブラジル・サントス | ブラジル | サントス港から出荷される豆で、渋みや苦味、えぐみなどがなく香ばしいのが特徴です。 |
| ブルーマウンテン | ジャマイカ | ブルーマウンテン地区で生産される豆で、バランスのよい味わいが特徴です。 |
| マンデリン | インドネシア | スマトラ島で栽培される豆で、独特の苦味と風味があり、味わいはなめらかで濃厚です。 |

西埜さんに、おいしいコーヒーとは、どんなコーヒーかたずねたところ、「最初にナッツやチョコレートのようなフレーバーを感じ、そのあとにさわやかな酸味や苦味が広がり、最後にコーヒーの余韻とともに甘味が消えていきます。味わいはコーヒー豆の種類や質によりますが、刺すような酸味や渋み、舌に残る苦味などの雑味のない、バランスのよいコーヒーを目指しましょう」とのことでした。自分にあったおいしい豆や入れ方を見つけて、コーヒータイムをいっそう楽しんでみませんか。
コーヒー豆の味わいは煎り方で変化します。大きく分けると、浅煎り、中煎り、深煎りの3種類があり、浅煎りは酸味や香りがひきたちますが、深く煎るほどに酸味がなくなり苦味やコク、焙煎の香ばしさが強くなります。一般に好まれるのは、ほどよい酸味と苦味、香りやコクともに楽しめる中煎りですが、マンデリンなどのように、深煎りのほうが豆の特性を活かせるものもあります。
豆の挽き方は大きく分けると、細挽き、中挽き、あら挽きの3種類があります。器具によって挽き方も変わります。
| 器具 | 方法 | 挽き方 |
| ペーパー・ドリップ | 紙のフィルターで濾す | 中挽き~中細挽き |
| サイフォン | ガラス製のフラスコ型をした器具で抽出 | 細挽き~中細挽き |
| ネルドリップ式 | 布のフィルターで濾す | 中挽き |
| エスプレッソ | 機械で圧力をかけて抽出 | 極細挽き |
- 家庭で豆を挽く場合、挽き立ては少し熱を持っています。少し間を置いてさましたほうがおいしく入れられます。
- 豆は細かく挽くほど、入れたときにその特性が現れます。良質の豆が手に入ったら、ぜひ細挽きで味わってみましょう。
お湯はくみたての水を沸かしたものを使いましょう。沸騰させたあと少しおいた、90~93度ぐらいが適温といわれています。
沸騰したばかりの97度ぐらいのお湯は、豆の特性を出しやすいので、良質の豆なら、高めの温度で味わってみるのもおすすめです。

コーヒー初心者でも入れやすい、ペーパー・ドリップ式をご紹介しましょう。ペーパー・ドリップには1つ穴式と3つ穴式があります。1つ穴式はコーヒーがゆっくり落ちるので、豆を蒸らしたあと、1回で必要なお湯を注ぎきります。3つ穴式はコーヒーが早く落ちるので、豆を蒸らしてから、数回に分けてお湯を注ぎます。
- 器具とコーヒーカップをあたため、フィルターを折ってドリッパーにセットします。
- 豆を必要分(1杯10~13グラム)測って入れます。
- 豆全体に行きわたるようお湯を少量注ぎ、しばらく蒸らします。
- 豆が水分を吸ったら、表面が乾かないうちに必要分のお湯を注ぎます。お湯は豆の中心から「の」の字を描くように入れます。外側からお湯を注ぐと、コーヒーが水っぽくなるので注意しましょう。
ペーパーフィルターをセットする前に少し湿らせておくと、コーヒーが浸透しやすくなります。
密閉容器などに入れ、冷凍室で保存します。冷蔵庫は湿気を帯びるので保存に適していません。できれば二週間程度で使い切りましょう。
コーヒーにシロップや生クリームを加えてアレンジしたり、お菓子類を添えるとコーヒータイムの楽しみがさらに広がります。

濃いめに入れたコーヒー120ccに、チョコレートシロップ小さじ1とグラニュー糖を混ぜ、ホイップした生クリームをのせます。上に削ったチョコレートをのせてできあがり。
かなり濃いめに入れたコーヒー120ccを少し冷ましてから、グラニュー糖小さじ2、細かく砕いた氷とともにミキサーで撹拌します。コーヒーの泡がミキサー一杯になったら、大きめのグラスに注ぎます。

コーヒーにはラスクや、硬めのクッキーが好相性です。また、アーモンドやクルミといったナッツもコーヒーによく合います。
みなさんはどんなふうに、コーヒーを飲んでいますか?
かんでんe-Patio会員のみなさんに、アンケートでお聞きした、コーヒータイムの楽しみ方をご紹介しましょう。
- 眠気覚ましにはブラックで。ミルクたっぷりのコーヒーはリラックスタイムに最高よ!
- お店で聞いたアドバイスです。コーヒーメーカーで入れるとき、最初にサーバーにポタッと落ちればいったんスイッチを切って30秒後にスイッチを入れます。蒸らしに秘訣があるみたいです。
- 休日の朝はドリップコーヒーでアメリカンをたっぷり。仕事中はブラック、ミルク入り、ミルク+砂糖と一日の疲れによって飲み分けている。
- ウイスキーやブランデーなどの洋酒を入れると体も温まり、おいしくなる。
- 時間があるとき、おいしいコーヒーが飲みたいときは、豆を手動のミルで挽きます。豆を挽く、ゆったりとした時間と香りを楽しんでいます。
- コーヒーに肉まん! 意外な組み合わせですが、結構いけます。
- 必ず豆を挽きコーヒーメーカーで作りたてを飲みます。ときにはバニラ、アイリッシュ・クリーム、ヘーゼルナッツなどのフレーバーコーヒーを少し加えて違った香りと味を楽しんでいます。
- 初めはブラックで、3口目くらいからミルクを入れて、5口目ぐらいでミルクをかき混ぜて飲み、1杯のコーヒーを3つの味わいでいただきます。
- ちょっと疲れたときなどに、濃いめのコーヒーと甘いものを食べるのが好きです。いやされます。
- 気分によってサイフォン、ドリップ、エスプレッソと入れ方を変える。豆も入れ方によって挽きが異なるのでいろいろと用意している。
- シナモンの香りが好きなので、スティックタイプのものを使っています。
- 豆は冷凍庫で保存し、挽いた直後に濃いめに入れる。濃すぎるときはお湯で少し割ると渋みのないコーヒーが楽しめますよ。
- 甘いお菓子があるときは、ドリップしたブラックコーヒーで。夜の家族との団らんには牛乳たっぷりのカフェオレを飲みます。
ちょっと時間ができたり、ほっと一息つきたいとき、200ボルトのハイパワーで熱効率も高いIHクッキングヒーターなら、お湯が沸くのもあっという間。いつでも飲みたいときに、くみたての新鮮な水を沸かしておいしいコーヒーが楽しめます。また、吹きこぼれや立ち消え、消し忘れの心配がないので、安心して気軽に使えるのがいいですね。

大阪珈琲商工組合専務理事 アラブ珈琲株式会社代表取締役 西埜伊宜さん
「最近はコーヒーのトレーサビリティも発達し、いつどこでどのような状況で収穫されたか追跡できるようになっています。そういったことを確認できるお店でコーヒーを求めていただきたいと思います。また、ペーパー・ドリップ式やサイフォンなど入れ方はさまざまですが、コーヒーの油成分に含まれる風味まで味わえるコーヒープレスもお試しください。コーヒー本来の味わいが楽しめます」サイトはこちら
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