電気は、私たちの暮らしを豊かに、便利にしてくれるエネルギーです。それだけに、いつも正しく安全に使って事故やトラブルを未然に防ぎたいものです。防災の日を機にいま一度、身の回りを振り返って電気の使い方と安全をチェックしてみませんか?
日ごろなにげなく使っている電気ですが、ちょっとした不注意や誤った使い方によって事故を招く可能性があります。電気のしくみを理解して、正しい利用をこころがけましょう。
Aさんの住まいはパソコンや薄型テレビをはじめ電気器具がたくさんあります。そのためコンセントの数が不足し、テーブルタップや三つ又タップなどを使ってコンセントから分岐させて、電気器具を使用していました。これが原因でプラグ部分が過熱し、火災が発生してしまいました。
コンセントやテーブルタップは「許容電流値」といって、使える電流の値が決められています。この許容電流値を超えてたくさんの電気器具を接続して使用すると電流が流れすぎ、熱が発生します。この熱に配線のビニール被覆やプラグのプラスチックなどが耐えられなくなって発火、火災が発生することがあります。コンセントやケーブルをさわってみて、熱を持っていると危険です

たこ足配線による火災を防ぐためにはまず、取扱説明書などを確認し、使用する電気器具の消費電力(W:ワット)を確認しましょう。
例えば、700Wのドライヤーをコンセントに接続すれば、
700W/100V=7A(アンペア)の電流が流れることになります。
家庭用のコンセントはひとつについて15Aが最大なので、これを超えないよう注意しましょう。1か所のコンセントに差し込み口が2個あっても使える電気は合計
Bさんの住宅で火災が発生しました。原因はトラッキング現象。テレビのコンセントとプラグの間のホコリが原因で火災が発生し、カーテンに燃え移ったため、火災が広がってしまいました。

トラッキング現象は、電源プラグを長い間コンセントに差し込んでいることにより、たまったホコリや金属粉などが、湿気を含んでプラグの電極間でショートし、過熱して火花が発生、周囲のホコリや樹脂などを燃やして火災を起こす現象です。特に家具の裏やテレビの裏、冷蔵庫の後ろなどのコンセント部分ではホコリがたまりやすいため、注意が必要です。
こまめに掃除し、コンセント部分を乾いた布できれいに拭くのが一番の対策です。頻繁な掃除は無理でも、大掃除の際などに掃除を心がけましょう。また、使用しないプラグは外しておきましょう。最近はプラグの差し刃に取り付け、ホコリや水分を防ぐトラッキング対策用品やトラッキング対策のとられたプラグも登場しています。こういったものを使うのもトラッキング防止に有効です。
Cさんの住まいの電気が一斉に消えました。どうやらメインブレーカー(漏電ブレーカー)が落ちたようです。再度ブレーカーを入れなおしましたが、メインブレーカーの漏電遮断機能が働いてすぐに落ちてしまいます。こんなときはどうしたらいいのでしょう。
漏電遮断機能が働いてメインブレーカーが落ちた場合、ブレーカーを入れ直しても漏電が続いていれば、またすぐにメインブレーカーが落ちてしまいます。こんなときは漏電している場所を特定するため、いったんすべてのブレーカーを落としてからメインブレーカー(漏電ブレーカー)を入れ、回路ブレーカー(安全ブレーカー)をひとつずつ順番に入れてみます。

漏電している場所につながる回路ブレーカーを入れれば、再び漏電遮断機能が働いてメインブレーカーが落ちるので、漏電の範囲を特定することができます。漏電の際は調査とあわせて修理の必要もあるので、まずは電気工事店などに相談しましょう。
そのほかにも、住まいの電気と電気器具の使用について、特に注意したいポイントをあげました。
コードの上に家具や電気器具が乗っているとコードに傷が付き、中の電線が切れたり、接触不良を起こす可能性があります。過熱して火災にいたることもあります。
コードを束ねたまま使っていると、消費電力の大きいものでは過熱し、発火する場合もあります。
ビニールコードは芯線を薄いビニールで包んだものです。これを釘やステップル※で壁や柱に止めると、ビニールの被覆が破れ、そこから漏電したりショートする原因になります。
※ステップル…屋内配線用の電線などを固定するための、U字型やコの字型の釘。
コードを引っ張るとプラグが外れたり、中の芯線が切れる可能性があるので必ずプラグを持って抜くようにしましょう。
コンセントにプラグがきっちり入っていないとその部分が過熱し、火災の原因になることがあります。
子どもがコンセントの穴に異物を入れたりしないよう、使っていないコンセントには専用のカバーを付けておきましょう。ホコリが入るのを防ぐこともできます。
万一ブレーカーが落ちたとき、前にものを置いているとすぐに操作することができません。また、夜、灯りまで消えてしまうと、移動させるのも大変です。すぐに操作できるよう、邪魔なものは除いておきましょう。
動作確認のため、月に一回程度テストボタンを押してテストしましょう。その際には、電気が止まります。万一止まらない場合はメインブレーカー(漏電ブレーカー)の不良なので電気工事店に相談しましょう。
水気、湿気の多い場所で使う電気器具には感電を防止するため、アース線を取り付けるよう決められています。コンセントにアース端子が付いていない場合、アース棒を埋め込むなどの工事が必要なので、電気工事店に相談しましょう。

財団法人関西電気保安協会 広報部副部長 岩本栄造さん
関西ではユニークなCMでもおなじみの関西電気保安協会は、近畿2府4県の企業や家庭向けに電気の点検、保安業務を行っています。関西電力の委託で4年に1度、一般家庭や商店など低圧の電気設備の安全診断を行うほか、高圧の電気設備などの保安管理業務、点検、測定や試験業務、電気設備の監視業務、各種コンサルティング業務、電気の使用や安全に関する広報活動などを行っています。サイトはこちら
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