Let’s 紙芝居!

かつて、拍子木の音とともにやってくる街頭紙芝居は子どもたちの大きな楽しみの一つでした。ドキドキするような絵と紙芝居屋さんの巧みな口調に、心がくぎ付けになったものです。現在、街頭ではその姿をほとんど見かけませんが、紙芝居の伝統は受け継がれています。年配の人には懐かしく、お子さんには新鮮な紙芝居には、観るだけではなく、自分で作る楽しみもあります。夏休みは、親子で紙芝居体験、してみませんか?

紙芝居っておもしろい!

絵と物語が組み合わされた紙芝居は日本独自のものです。どんな風に発展し、観客を引きつけてきたのでしょうか。

紙芝居の歴史

紙芝居の源流は、古く江戸時代にさかのぼることができます。その一つがオランダからやってきた「のぞきからくり」。木箱の中のからくり人形をのぞく仕掛けに語りが付けられ、縁日などで人気でした。 同じころ「写し絵」「錦影絵」などと呼ばれた幻灯が登場しました。ガラス板に描かれた絵を油ランプの光で和紙のスクリーンに映すもので、これも絵に合わせて語りが付けられていた点で、紙芝居の原形の一つといえます。

「紙芝居」ということばが生まれたのは明治後期になってからのことです。竹串に付けた紙人形を舞台で動かす「立ち絵」が寄席で演じられましたが、紙人形の芝居ということで「紙芝居」と呼ばれたそうです。

紙芝居の口演

紙に絵を描き、それに合わせて物語を演じる、現在のような紙芝居が登場したのは昭和初期。紙芝居屋さんが街頭で駄菓子を売って演じる、映画のように展開する話に、子どもたちは夢中になりました。冒険物語や時代劇などバラエティ豊かな作品が誕生し、黄金バットのように戦後になっても演じられた作品もあります。

太平洋戦争中には戦争協力のための国策紙芝居が作られたり、戦後には民主主義をうたった紙芝居が演じられるなど、紙芝居は時代に合わせたメディアとして利用されました。街頭紙芝居も復活し、人気を博しますが、やがてテレビなどに押され、街角から姿を消していきます。といっても紙芝居の文化が消えることはなく、現在でも幼稚園や保育園などで教育紙芝居が取り入れられているほか、街頭紙芝居を保存、継承していこうとする人々によって上演されています。

場が一体になるおもしろさ 

迫力ある物語の展開や懐かしさに加え、気軽に楽しめ、演じる人と観客が一体となって盛り上がるのも紙芝居の魅力の一つです。演者は観客の顔ぶれを見てアドリブを入れたり、語り口に変化を付けたり、観客の反応を見ながらその場その場で演じ方を変えていきます。だからこそ、知っている作品でも、何度も楽しむことができるといえます。

場が一体になるおもしろさ
言葉が通じないはずの海外からの人も、不思議と一緒になって笑っています。目と耳だけではなく、全身で感じ、体験できるのも紙芝居の魅力といえるでしょう。

また、単に物語を読み聞かせるだけではなく、間にクイズを入れたり、一緒に声を出したり、演者と観客がやりとりする双方向性も、テレビや映画にはない魅力です。観客がツッコんだり、合いの手を入れたり、気がつけば全員が一つになって場を作り上げています。

手作り紙芝居に挑戦

紙芝居は紙と画材があれば、お子さんでも作ることができます。京都国際マンガミュージアムで紙芝居の上演や紙芝居ワークショップの指導をしているヤッサン一座の“らっきょむ”さんこと荒木喜勇さんに、紙芝居づくりのポイントを聞きました。

ワークショップでは4枚を基本にしていますが、枚数にこだわらず、お話の展開によっては2~3枚でもいいし、もっとたくさん描いてもいいですよ。

用意するもの
  • はがきサイズの画用紙
    通常の紙芝居はB4サイズですが、用紙いっぱいに描くのは大変です。はがきサイズがお子さんの手にも描きやすい大きさです。
  • 画材
  • 下敷き用の新聞紙
好きな絵、好きな色から描き始める

好きな絵、好きな色から描き始める
写真提供/京都国際マンガミュージアム

何から描き始めていいかわからないときなどは、まず好きな色のペンを手にとって、好きなものを紙に描くことから始めてみましょう。そこからアイデアが広がったり、次のお話につながっていくこともあります。

紙芝居は「心のトイレ」みたいなものです。心の中にあるうれしいことや楽しいことがあふれそうになったら、それを紙に描いてみるのが紙芝居づくりの基本です。

心の中を紙に描こう

手作り紙芝居のおもしろさは、自分だけの作品を作れることです。すでにある物語を紙芝居にするよりも、自分で作ったお話を描いてみましょう。ストーリーは何でもかまいません。自分の心の中を表現することから始まります。

何でもありのおもしろさ

人には豚にしか見えない絵でも「これは犬です」といえば、犬になるのが紙芝居のいいところ。絵の上手下手は関係ないので、お子さんの心のおもむくままに作ってもらいましょう。

文字は書かない

紙芝居の裏に物語を書くとそれを読むのが精一杯で、紙芝居を演じる余裕がなくなります。演じる際には絵から物語を語るようにします。何度か演じるうちにお話が変わることがあってもかまいません。

演じることで共有する

演じることで共有する
写真提供/京都国際マンガミュージアム

絵を描くだけではなく、ほかの人の前で演じることによってお話を共有する楽しみや、参加する喜びを感じることができます。声の強弱を付けたり、話す速度を変えるなど、場面によって声色や調子を工夫すると、一層お話がおもしろくなります。

ワークショップで親や先生以外の人と話しながら作ると、お子さんも意外と素直に自己表現できるようです。いろんな人たちと一緒に楽しむ紙芝居体験をぜひ味わってみてください。

紙芝居に触れてみよう

紙芝居を作るなら、紙芝居がどんなものか、どんなふうに演じられるのか、まずは実物や実演に触れてみるのが一番です。京都国際マンガミュージアムは、日本で唯一毎日紙芝居を口演している施設です。紙芝居のおもしろさ、楽しみを知って手作り紙芝居に挑戦してみましょう。

紙芝居の口演

平日は午後0時、1時30分、3時の3回
土・日・祝日は午後0時、1時30分、3時、4時30分の4回
紙芝居ワークショップは毎月最終日曜日の午前10時から11時30分(予約不要)。

関西電力のPR施設で最新技術の映像に触れてみよう

関西電力のPR施設・エルガイアおおいはエネルギーや地球の未来について、アトラクションを通じて楽しみながら学び、考え、発見できるミュージアムです。

シアターガイア

注目は世界最大級のバーチャルシアター「シアターガイア」。幅22メートル、高さ6メートルという巨大なスクリーンに映し出されたバーチャルリアリティ映像は、まるでその空間の中にいるよう。迫力の映像に目を見張ります。

また、宇宙空間に設置された発電所を模したアトラクション「コスモユニット・エルガイア」では、漫画家松本零士氏プロデュースのキャラクターたちとエネルギーや宇宙について楽しみながら学ぶことができます。いずれも夏休みの思い出づくりにぴったりのスポットです。

エルガイアおおい

今回、ご協力いただいたのは

京都国際マンガミュージアム

京都国際マンガミュージアム

同館は京都市と京都精華大学が共同運営する、図書館機能と博物館機能を兼ね備えたマンガの総合博物館です。古い小学校の建物を再利用した館内には、明治時代の雑誌や戦後の貸本、現在の人気作品、海外のマンガまで約30万点の資料を所蔵。書架のマンガは自由に読むことができます。2階の「ヤッサン一座の紙芝居」では、毎日紙芝居が口演されます。2009年8月末まで特別展「妖怪天国ニッポン 絵巻からマンガまで」を開催中。

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