近年の子どもを狙った犯罪増加にともない、防犯のため子どもに携帯電話を持たせるご家庭が増えました。しかし携帯電話を持つことで、逆にトラブルに巻き込まれるなど、新たな問題も増えています。夏休みを迎え、ご家族で過ごす時間が増えるこの機会に、皆さんも携帯電話の利用について考えてみませんか。

内閣府がまとめた「平成20年版青少年白書」によると、携帯電話を使ったインターネットの利用率は、小学生
以前は、子どもの携帯電話による弊害といえば、使いすぎによる高額の利用料などがあげられてきましたが、最近は、メールやネット上の書き込みによる対人関係のもつれなど、根深い問題が増えています。
今、携帯電話を持つ子どもたちを取り巻く環境はどうなっているのでしょう。プロフ、学校裏サイトなど、子どもたちが遭遇しやすい携帯電話のトラブルと対策について紹介します。

プロフとは、自分のプロフィールのページを作成できるサービスやサイトのことです。名前や誕生日など、あらかじめ用意された項目に入力するだけで、簡単な自己紹介をインターネット上に公開することができ、学生を中心にコミュニケーションツールとして、活用されています。顔写真など画像を掲載することもでき、個人情報の流出となるうえ、出会い系サイトの代用として悪用されるケースもあります。
インターネットの特性上、情報(画像を含む)を一度公開してしまうと、閲覧した人がその情報を取り出して保存できるので、完全に回収・削除することはできないと考えるべきです。安易に個人情報を流さず、画像の掲載には注意をはらうことが必要です。
有害サイトとされるものには、アダルトポルノや出会い系サイトだけでなく、児童ポルノ、規制薬物販売サイト、さらに、一般社会では容認されない仕事の請負や自殺を誘引する闇サイトまで、多種多様なサイトがあります。こうした反社会的なサイトはさまざまな犯罪の温床になりがちです。また安易にアクセスしたために、サイト内で知り合った人から嫌がらせや勧誘のメールが送られてくることもあります。
18歳未満の出会い系サイト利用は法律で禁止されていることや、怪しいサイトにはアクセスしないように、日頃から親子でコミュニケーションを図りましょう。また、フィルタリング機能を活用して、有害サイトへのアクセスをブロックする方法もあります。
携帯電話等でインターネットを利用している小中高生に、フィルタリング機能(サービス)について聞いたところ、フィルタリング機能を知らない割合は、小学生96.5%、中学生91.7%、高校生85.4%という結果でした※。意外に知られていないフィルタリング機能、今後の普及、徹底が望まれます。
※内閣府「第5回情報化社会と青少年に関する意識調査」より

チェーンメールとは、不特定多数の人に配布を求めるメールのことです。かつての「不幸の手紙」と同じで、文末に「○人にこのメールを送ってください」などと書いてあります。「止めると不幸がやってくる」といったおどし文句のほか、「○○のためによろしくお願いします」などの依頼文的なものも多いようです。 献血の依頼やテレビ番組の企画と称したものまであり、チェーンメールによるデマ情報を信じて多くの人が振り回されるなど、社会的な影響を与えることもあります。
受け取ってもメールをまわさないことが肝心です。おどし文句などがあって不安な場合、チェーンメールを受け付けてくれる転送先があります。
●財団法人日本データ通信協会 チェーンメール転送先
チェーンメールについて、詳しくは同協会「撃退!チェーンメール」へ

学校裏サイトとは、個人が特定の人を誹謗中傷することを目的に立ち上げる悪質な電子掲示板などのことで、新たないじめの温床になっています。多くの場合、会員制でIDとパスワード認証が必要なため、教師や保護者などは閲覧することができません。加害者は友人知人であることが多く、被害者の精神的ダメージは計り知れません。いじめは昔からありますが、ツールが進化したことにより、以前より多くの人に、素早く、隠密に情報を伝えることができるようになっています。
見つけたら、ただちに学校や教師に相談し、解決の道を探ります。悪質な書き込みをめぐって、刑事事件や民事訴訟に発展した例もあります。子どもが加害者として巻き込まれないためにも、携帯電話やインターネットの危険性を親子ともに知っておくことが必要です。
携帯電話を利用したワンクリック詐欺が急増しています。インターネットに接続し、いろんなサイトを見ているうちにアダルトサイトにつながり、料金請求の表示になるというケースや、無差別に料金請求の通知が届くことも多いようです。親に知られないように自分で処理しようとする子どもも多く、安易に支払いのためのURLにアクセスしがちです。

こうした請求のほとんどは無効※なので、安易に支払いや返信をしないことが鉄則です。不明な点は最寄りの消費生活センターや警察へ相談しましょう。料金請求画面に表示される携帯電話の機種名や固体識別番号、位置情報が事実だったとしても、それで個人情報が漏れることはありません。
※ サイトの利用規約に同意のうえ、申し込み内容を再度確認させるための画面で同意した場合は、支払い義務が発生するおそれがあります。しかし、確認画面で「いいえ」や「NO」のボタンをクリックしても「登録完了」などになるような場合は、電子消費者契約法が定める確認措置にはあたらないので、無効を主張できます。
インターネット上のトラブルについて
…警察庁インターネット安全・安心相談
被害にあったり、あいそうになったときの相談先
…各都道府県警察本部のサイバー犯罪対策
今の子どもたちは、友人からのメールに即返信しなければ失礼になるのではと、携帯電話を手放せなかったり、「○○を無視しよう」というメールがまわってきたりするなど、携帯電話によるストレスを抱えがちです。また、学校裏サイトやチェーンメールなどを通じて、被害者だけでなく、加害者となる可能性も出てきました。

こうしたトラブルを避けるには、携帯電話を持たせる前に、親子で約束事を決めておくことが大切です。日頃から親子でいろんなことを話し合いながら、子どもの変化を敏感にキャッチし、利用後も約束事がきちんと守られているか、どうしたら守れるのか、見直す機会を作るように心がけましょう。
万が一トラブルにあった場合は、問題の画面やメールなどをすぐに消さないで、写真に撮ったり、印刷するなどして証拠を残しておきましょう。
携帯電話を子どもに持たせる場合、年齢などを考慮して、わが家流の“ケータイ”利用法を考えてみませんか。
参考資料/芦屋の子育て情報誌「ちょこっと」(発行:NPO法人さんぴぃす)
- 親子で共有する
- 親が管理し、必要なときだけ渡す
- 機能制限付きの子ども向けケータイにする
- 機能制限を付け、メールと通話のみにする
- フィルタリング機能を付ける
- 通常のケータイにする
※5や6の場合は、携帯電話の使い方について、使用時間の限度や有害サイトは閲覧しないなど、各家庭で約束事を決めておくことが必要です。
自分で料金が払えるようになるまで、携帯電話は持たせないという選択もあります。
関西電力グループの「ケイ・オプティコム」では、「eo光」でおなじみのインターネット、電話、テレビの垣根を超えた、高速通信サービスを提供しています。プロバイダサービスとして、映像配信や電子書籍などを楽しめる光ファイバーならではのサービスのほか、有害サイトの閲覧やコンピューターウィルスからパソコンを守ってくれるセキュリティ対策サービスなど、充実したサポートがそろっています。
NPO法人さんぴぃす
2003年より阪神間を中心に、子どもの健全育成に関わる教育事業、コミュニティ活性化事業などを展開。地域の学校で教員やPTAを対象に「子どもを守る!携帯電話・インターネットの講習会」も開催しています。最近では一般を対象に、携帯・インターネットに関する指導インストラクター養成講座を開設し、反響を呼んでいます。
代表の河口さんは「親子で向き合える時間をとること、そのものに意味があります。進化するケータイについていけないとあきらめずに、親は子どもを知ろうとすることから始めてはいかがでしょう」とアドバイスします。
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