春、木の芽時といわれるこの季節、はっと気がつくとおでこやあごにポツポツと赤い斑点が…。ニキビ、吹き出物といった肌トラブルは、つぶしたり、放っておいたりすると、跡が残ってしまうこともあるので、きちんと対処することが必要です。今回は、ニキビや吹き出物ができる原因と、その予防法や治療法について探りました。
ニキビ、吹き出物は思春期に始まり、だれでも一度は体験するものです。まずはどうしてできるのか、その原因やメカニズムを知っておきましょう。
ニキビはその出方に個人差があり、ニキビができやすかったり、ひどくなりやすい体質があります。皮脂量も水分も多い脂性肌はニキビや吹き出物ができやすくなります。遺伝的な要素も大きく、両親がニキビのできやすい体質だった場合などはその子もできやすくなることがよくあります。
体質、遺伝的要因に加え、ストレスや生活習慣もニキビの発生を左右します。思春期のニキビは新陳代謝が高まり、皮脂腺が活発になるためできるものですが、30代以降にできる「大人のニキビ」は角質が過剰にかたく、厚くなるため毛穴が詰まってできてしまいます。
毛穴が詰まる原因としては髪の毛や紫外線による刺激、メイクアップの汚れ、間違ったスキンケア、ストレス、睡眠不足による代謝の滞りなどがあげられます。特にストレスは男性ホルモンの分泌を促すため、あごの周囲などにできる大人のニキビの原因となりやすいといわれます。女性の場合、黄体ホルモンの影響で皮脂分泌が多くなり、生理の時にニキビが悪化したりします。
また、木の芽時と呼ばれる春先の季節には新陳代謝が活発になるほか、進学や就職などを機にメイクをはじめたり、環境の変化によるストレスにさらされやすいため、ニキビや吹き出物ができやすくなると考えられます。
ニキビができるメカニズム
- 男性ホルモンが皮脂を作る脂腺の活動を活発にし、皮脂の分泌を増加させます。
- 異常増殖した角質が毛穴を詰まらせます。
- 毛穴の奥の毛包内でニキビ菌が増殖し、炎症を起こします。
- 炎症がひどくなると治療後に「瘢痕(はんこん)」と呼ばれる跡が残ったり、色素が沈着することがあります。
ニキビ、吹き出物は生活習慣を改善することである程度予防することができます。ニキビ、吹き出物を繰り返さない生活習慣を身につけましょう。
ナッツやチョコレートなど脂肪の多い食事はニキビを悪化させるといわれていますが、医学的な根拠はありません。特定の食品だけを食べ過ぎず、バランスのよい食生活を心がけ、便通を整えることが大切です。

体内に老廃物が蓄積されることは、ニキビだけでなく体にも悪影響を与えます。食生活や適度な運動などで便通を整えるよう心がけましょう。また、きまった時間にトイレに行く習慣をつけるのも有効です。
睡眠不足は代謝を滞らせ、ニキビの原因となります。規則正しい生活を送り、ストレスを予防するよう心がけましょう。
入浴、洗髪で清潔を保ち、余分な皮脂を取り除くことはニキビ菌繁殖予防にも効果的です。体を洗う際には強くこすりすぎないよう気をつけます。また、洗髪の際、シャンプーやコンディショナーが顔や首、胸、背中などに残らないよう注意します。
ニキビがある場合、できるだけ毛穴をふさがない化粧を心がけます。クリームタイプやリキッドタイプのファンデーションは皮膚をスポンジや指でこするため、ニキビを悪化させることがあります。油分の少ないパウダータイプのファンデーションが望ましく、使用する際は皮膚を刺激しないよう軽く滑らせるか、押さえるように塗ります。パフやスポンジは清潔に保ちましょう。
また、ニキビの赤みが目立つ場合は、厚化粧するより緑や黄色のコントロールカラーを使ったほうが目立たなくなります。ほお紅やアイメイク、リップメイクなどポイントメイクを目立たせるとニキビ以外に視線が移り、相対的にニキビが目立ちにくくなります。

ニキビ、吹き出物予防には皮膚を清潔に保つことが大切です。化粧は洗い流すタイプのメイク落としで落とすのがよいでしょう。洗顔料は洗浄力が高く、皮脂をしっかり洗い流すタイプを使います。部分的に乾燥している場合は、肌にやさしいタイプを選びます。
洗顔は清潔な手で、適量の洗顔料を使ってピンポン球2個分ぐらいの泡を立てます。こすらず、円を描きながら手のひらと皮膚の間で泡を転がすように、特に皮脂の多い部分は念入りに洗います。最後はぬるま湯でていねいに10数回すすぎ、生え際や小鼻の周り、下あごなどに洗顔料が残らないよう気をつけます。
気をつけていても、ちょっとしたことでできてしまうニキビや吹き出物。こじらせると瘢痕になったり、色素が沈着したりと、さらに悩みの種になってしまいます。でも、早めに適切な治療を受ければニキビ、吹き出物は治すことができます。
ニキビ、吹き出物は症状に応じた治療が一番大切です。治療法には外用薬を使用する外用療法、ビタミンB2やB6、Cなどのビタミン薬、抗菌薬、漢方薬などを服用する内服療法、面皰(めんぼう)※圧出やケミカルピーリングなどによる処置の3種類があります。ニキビができたら、悩む前にまずは専門医に相談し、適切な治療を受けましょう。
最近はニキビができる前から肌に塗り、毛穴のつまりを予防する治療薬が登場しています。これは目に見えない毛穴のつまりや初期のニキビに作用し、炎症の強いニキビを予防する働きがあります。早期に治療するため、色素沈着や瘢痕を予防することもできます。
ただし、この薬は使い始めのころ、皮膚の乾燥やかゆみ、ヒリヒリ感、皮膚が赤くなるといった副作用が現れることがあります。用法・用量は必ず医師の指示を守りましょう。なお、病院、医院の処方箋が必要ですが、保険が適用されます。
※肉眼でわかるニキビのできはじめの症状。

関西電力病院皮膚科 部長 三谷恒雄先生
ニキビは「青春のシンボル」といわれていましたが、実は病気です。早く見つけて早く対処することがきれいに治る近道です。ニキビは一度瘢痕ができるとずっと残ってしまいます。最近はいい治療薬もできているので、瘢痕になるほどひどくならない間に早く治療しましょう。
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