梅雨から夏にかけて降雨量が増えるシーズンには、集中豪雨が洪水などの災害に結びつくこともあります。今回は、水害対策について準備から避難までを10のポイントにまとめてご紹介します。
取材協力/大阪府都市整備部河川室河川環境課防災グループ、株式会社気象工学研究所
万が一の場合にも慌てず行動できるよう、災害が起こる前に、普段から家庭で対策を講じておくことが大切です。
水害や土砂災害は、地形と深い関係があります。その土地がどのような特性を持つ地形か、過去にどんな災害が起こったのか、知っておくとよいでしょう。また、市町村ではハザードマップ(防災マップ)を作成して、水害や土砂災害が発生する可能性のある場所をあらかじめ住民に知らせているので、一度確認してみましょう。


防災訓練は災害への対処法を身につけるだけでなく、いざというとき隣近所と協力し合えるよう、地域とのコミュニケーションを深めることにも役立ちます。機会があれば積極的に参加しましょう。
災害時にすみやかに行動するために、家から一番近い避難場所を家族で確認しておきましましょう。その際、河川敷や、がけなど危険な場所を通らずにすむように安全なルートを調べます。小さなお子さんにも理解しやすいよう、家族でルートの下見をするとよいでしょう。
普段から、屋根や雨どいなどを点検しておきます。台風などが近づいたら、ベランダや屋外の鉢植えなど、飛ばされそうなものを安全な場所に移動させます。風雨が強まってからの点検は危険なので早めに対処します。
大雨のときには河川の状況はどんどん変化するので、テレビやラジオ、インターネットなどで、常に最新の河川情報をキャッチすることが大切です。
台風や大雨のときには、テレビやラジオ、インターネットで最新の防災情報を入手しましょう。防災情報には主に3つの種類があります。

気象庁ホームページで防災情報を提供しています。
水害が起こるおそれのあるときには、非常袋※1を確認し、避難する準備をします。 浸水※2に備え、貴重品や食料品など、濡れては困るものを階上へ移動させるとよいでしょう。
※1 災害避難時にすぐ持ち出せるよう、飲料水や非常食、衛生用品、ラジオ、懐中電灯などを準備しておきましょう。
※2 地表面が覆われた都市部では大量の雨水が下水道や川に流れ込み、洪水や浸水などを招くおそれがあります。大雨の際は下水処理の負担にならないよう、風呂や洗濯など各家庭からの排水は控えるようにしましょう。

注意報や警報で表現される「強い雨」「激しい雨」など、気象庁が発表する予報用語を理解し、避難のめやす※を知りましょう。
※地域や自治体ごとに、水位や降雨量などをもとにした避難の判断基準が設けられています。
例えば、兵庫県・大阪府を流れる猪名川流域では、1~3のいずれかにあてはまる場合、自主避難をすすめています。

高齢者やお子さんがいるご家庭は、特に早めの避難を心がけましょう。「避難勧告」や「避難指示」はテレビやラジオのほか、市町村の広報車などによる呼びかけも行われます。
水の深さが腰まである場合は、高い場所で救助を待ちましょう。
ひも付きの運動靴※がおすすめです。ヘルメットや防災頭巾があれば利用しましょう。お子さんに浮き袋をつけさせるのも有効です。
※裸足やゴムぞうりはケガをしやすいので危険です。長靴は脱げやすいうえ、水が入ると重くなって歩きにくいので避けましょう。
単独行動は避け、はぐれないように互いの体をロープで結びます。
水面下の様子を棒で探りながら避難。段差、側溝、マンホールの吸い込み口などに注意しながら歩きます。
高齢者や乳幼児、体の不自由な人は背負って避難しましょう。
大雨のときには土砂災害も起こりやすくなります。人命にもかかわる危険な土砂災害は発生前に避難できるよう、判断のめやすとなる前兆現象について知っておきましょう。


大雨のときには落雷も起こりやすくなります。雷は周囲より高い所に落ちるため、野外での基本は、雷が近づいてきたら姿勢を低く保ち、活動が弱まるのを待ってから安全な場所へ移動します。自動車があれば車内に、テントや樹木の下は落雷しやすいので離れて、窪地などで姿勢を低く保ちます。山頂にいる場合は、斜面に降りて姿勢を低くします。
気象工学研究所では、京都大学と関西電力が協力し、気象に関する研究成果や技術、ノウハウを生かして、気象観測や予測、気象情報の配信のほか、「ハイブリッド降雨予測システム」などのより高精度な気象予測システムの開発を行っています。最近では、その土地に応じた風水害へのアドバイスや防災教育を行うなど、コンサルティングの需要も高くなってきているそうです。
「地球温暖化現象を背景に、集中豪雨などの水害が今後も多発することが懸念されています。私たちも気象予報士の厳しい目と最新機器を組み合わせて、地域社会の安全確保に貢献できるよう、防災サービスに努めていきたいと思います。ご家庭でもこうした降雨量が増える機会に、水害への防災意識を高めるように心がけてみてはいかがでしょう」と担当者は話しています。



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