京都や大阪では豆のことを親しみを込めて「お豆さん」と呼びます。古くから私たちの生活と関わってきたお豆さんには植物の命がぎゅっと詰まっています。栄養も用途も幅広いお豆さんを、毎日の食生活に積極的に取り入れてみませんか。
「からだにいい」「栄養豊富」とよくいわれる豆類は、栄養構成からふたつのグループに分けることができます。

豆類はビタミンB群やカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルを豊富に含み、食物繊維に富んでいます。そのほか、小豆や金時豆など色の赤い豆類はポリフェノールを豊富に含むため、抗酸化作用も期待できます。また、豆をゆでるときに出るアクにはサポニンと呼ばれる成分が含まれています。サポニンは抗酸化作用が強く、コレステロールや中性脂肪を低下させる作用もあるといわれています。

「畑の肉」といわれるほどたんぱく質が豊富で、しょうゆや味噌、豆腐、納豆、きな粉などの原料としてもなじみ深い豆です。脂質も豊富で世界的には食用油の原料として使われています。一般的に使われるのは黄大豆で、黒大豆はおせち料理の煮豆などに、青大豆はきな粉やひたし豆などに使います。

日本では縄文時代から食べられていたと考えられ、古事記にもその名前が見られます。ポリフェノールやカリウムを多く含む豆で、あんや菓子の材料になるほか、赤飯にも使います。中でも「大納言」と呼ばれる小豆は大粒で煮くずれしにくく、甘納豆などにも使用されます。
アフリカ原産で、中国を経由して日本に伝わったといわれています。平安時代には「大角豆」という名で使われていた記録があります。関東では小豆の代わりに赤飯の材料として使われます。

小豆は皮が破れやすく「切腹」を連想させるとして、武家社会の中心地であった関東地方では嫌われたため、煮ても皮の破れにくいささげで赤飯を炊くようになったのだそうです。
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中南米原産で、日本へは17世紀の中頃、隠元禅師(いんげんぜんじ)によって伝えられたといわれています。赤紫の金時豆、白い大福豆(おおふくまめ)や手亡(てぼう)、模様があざやかなうずら豆やとら豆などの種類があります。甘納豆や煮豆のほか、金時豆は洋風の煮込み料理などに、手亡(てぼう)は白あんの原料としても使われます。

いんげん豆の仲間で、大粒の豆です。正式な名称は「べにばないんげん」ですが、花が美しいので「花豆」と呼ばれています。紫に黒い模様の入った紫花豆と、白い白花豆の2種類があります。煮豆や甘納豆の材料として使われます。
名前の通り、ひよこに似たかわいい形をしています。スペインではガルバンゾーと呼ばれ、日本でも最近この名前が知られるようになりました。国内では生産されておらず、メキシコやカナダ、アメリカなどから輸入されています。ホクホクした食感が魅力で、スープやカレー、サラダなどに使われます。

西アジアが原産で、紀元前から食べられていた、歴史ある豆です。日本では生産されておらず、アメリカやインド、カナダなどから輸入されており、皮付きのものと皮をむいたものが市販されています。豆が薄いので、下ゆでがいらず、火の通りが早いのが特徴です。カレーやスープなどに用いられます。
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レンズ豆はまんまるで中心がふくらんだ形をしています。カメラや眼鏡などの「レンズ」という言葉は、この豆に形が似ているところから名が付いたそうです。

乾燥豆は常温で長期保存ができる優秀な保存食です。常備しておけば、いざというとき役立ちます。ここでは乾燥豆の料理のポイントをまとめてみました。

豆をボールや鍋に入れ、割れた豆や虫喰いなどを取り除いたあと、たっぷりの水を注いで手早くかき混ぜて洗います。表面のゴミなどを落とすため、水を換えて2~3回繰り返し洗います。
豆の4倍量の水を注ぎ、約6時間水に浸しておきます。豆がムラなくふっくらしたら吸水完了です。
小豆とささげは表皮が硬く吸水しにくいので、水洗い後直接ゆでる方法がおすすめです。

戻した豆と水を鍋に入れ、ふたをせずに中火から強火にかけます。沸騰して数分煮てから差し水をし、もう一度沸騰したらアクをすくい取ります。(沸騰してから、煮汁をいったん捨てる「ゆでこぼし」でアクを取る方法もあります[右写真])。その後は弱火で落としぶたをしてやわらかくなるまで煮ます。
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アクは適宜すくい取りましょう。小豆であんやぜんざいを作るときはゆでこぼしてアクを取ったほうがスッキリした味わいになります。ビタミンB1など水溶性の栄養素を生かしたいときには、アクをお玉で軽くすくう程度にするとよいでしょう。白花豆、紫花豆、えんどうはアクが強いのでゆでこぼしをして渋みを取ったほうがよいといわれています。


お湯が沸騰してくると、豆の表面と内部の温度に差ができるうえ、表層の たんぱく質が熱で変質して中が煮えにくくなります。差し水をしてお湯の 温度をいったん下げ、煮えムラを防ぐことで、豆をふっくらやわらかく煮ることができます。煮ている最中も豆が煮汁に浸っていないと煮えムラができるので、随時差し水をします。

豆を指で押してつぶれるぐらいになったら下ゆでは完了です。煮豆のように甘く煮ふくめるときは、浸透圧によって豆の水分が出てしまい味付け前より硬くなるので、さらにやわらかく下ゆでしておきます。

一度下ゆでした豆は冷凍しても食感が変化しません。大量にゆでて小分けにし、冷凍保存しておけばいつでも使えて便利です。サラダなら自然解凍や電子レンジで解凍して使います。煮物などには凍ったまま使えますが、急ぐときは電子レンジで半解凍してから調理するとよいでしょう。
豆を戻す場合、水なら約6時間かかりますが、熱湯につけると約2時間で戻せます。
圧力鍋に戻した豆と乾燥時の豆の2.5倍の水を入れ、ふたを密閉して加熱します。沸騰し、圧力がかかったら3~4分ゆで、火を止めて自然に冷まします。豆がやわらかくなりすぎないよう、ゆで時間に注意しましょう。
※豆はふくらむのでたくさん入れすぎると危険です。必ず圧力鍋の説明書に従って調理しましょう。
水洗いした豆を魔法瓶または保温用ステンレスボトルに入れ、熱湯をいっぱいに注ぎます。5~6時間置けば豆がゆであがります。豆は思いのほかふくらむので、入れすぎないよう注意しましょう。豆に硬さが残る場合は加熱調理の際に時間調整します。
下ゆで不要、時間をかけずに調理できる、簡単レシピを2品、ご紹介します。

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戻した豆を蒸し器にかけるだけの簡単レシピ。サラダに入れたり、ご飯に混ぜて黒豆ご飯にどうぞ。そのままおつまみにしてもおいしくいただけます。大粒の丹波黒大豆を使用するのがおすすめです。 |
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| 丹波黒大豆 | 1カップ |
| 水 | 4カップ |
| 塩 | 10~20グラム(サラダに使う場合はなくてもOK) |
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| 1. | 黒豆を2~3回水で洗い、塩水(または水)に約6時間つけて吸水させます。 |
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| 2. | 十分吸水したら、湯気の上がった蒸し器で約40分蒸してできあがりです。 |


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季節の野菜やお好みのお肉を使っていつもとはちょっとひと味違うカレーをどうぞ。ライスのかわりにナンを添えれば一層本格的な味が楽しめます。 |
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| レンズ豆 | 1/2カップ | なす | 2本 |
| 豚ロース薄切り | 200グラム | トマト | 1個 |
| (牛肉や鶏肉、ベーコンなどでもOK) | サラダ油 | 大さじ2 | |
| ニンニク | 1かけ | カレールー | 120グラム |
| 玉ねぎ | 1/2個 | ナン | 適量 |
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| 1. | レンズ豆は手早く洗って水に10分ほどつけ、ザルに上げておきます。 |
|---|---|
| 2. | 豚肉は食べやすい大きさに、なす、トマトは2センチ角、ニンニク、玉ねぎはみじん切りにします。 |
| 3. | 鍋に油を熱し、ニンニク、玉ねぎ、豚肉、なすを炒めたら、トマトとレンズ豆、水1リットルを入れ、弱火でアクを取りながら煮ます。 |
| 4. | レンズ豆がやわらかくなったらカレールーを溶かし、少し煮込んで火を止めます。ナンを添えていただきます。 |

財団法人 日本豆類基金協会
(財)日本豆類基金協会は、主に雑豆を対象に農業経営の改善や関連産業の振興と消費の拡大、豆を取り入れた豊かで健康的な食生活を実現するため、昭和40年に設立された財団です。豆類の生産、流通や消費に関する調査研究、豆類の品質改良などの試験研究、生産地の経営改善や指導、豆類や加工品の普及宣伝活動など幅広い事業を展開しています。
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