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知っているようで、知らないお茶のおはなし

日本人の生活に深く根づく日本茶。ふわっと立ち上る香り。茶器をとおして手に伝わる温かさ。お茶をいただくと気持ちまで和らぎます。 今回はお茶をテーマに、種類や成分、おいしいお茶のいれ方をご紹介します。

知っていましたか?お茶のこと

日本茶はそのほとんどが緑茶です。この緑茶の育て方や製法を変えることで、私たちが普段飲むたくさんの種類のお茶になっているのです。お茶の種類を大きく分けると、太陽の光をいっぱい受けて育てられる煎茶・番茶類と、陽の光をさえぎり、おおいをかけて育てられる玉露抹茶に分けることができます。

露天園(ろてんえん) 覆下園(おおいしたえん) 煎茶は露天園[左]で太陽の光をいっぱい受けて育てられます。 玉露・抹茶は覆下園[右]で新芽の出る4~5月頃(約20日)に覆いをかけて育てられます。
露天園(ろてんえん) 覆下園(おおいしたえん)

写真提供/一保堂茶舗

緑茶の系図

緑茶の系図

緑茶の成分

お茶の味には、主に「渋み」「苦み」そして「旨み」があります。それぞれの味のもとになっているのはタンニン、カフェイン、テアニンという成分で、お茶の味だけでなく、体にいい効果もあります。(お茶の種類で含まれる成分量は変わります)

緑茶の成分 タンニン 渋みのもと

タンニンには、話題のカテキン成分が含まれており、抗菌作用の効果があります。昔から、食後の一服のお茶には、食中毒を防ぐ効果があると言われていました。 今では口臭予防などガムの材料にも用いられています。

カフェイン 苦味のもと

アミノ酸の一種。眠気を払い、頭をスッキリさせます。疲労感を軽くします。

テアニン 旨みのもと

アミノ酸の一種。興奮を抑え、緊張を和らげます。紅茶にはなく緑茶に含まれる成分で、日本茶を飲んでホッとするのはテアニンによるものです。


お茶豆知識1 緑茶も紅茶も、もとは同じ木!?
「緑茶」と「紅茶」はカメリアシネンシスという木の葉から作られています。色も香りも飲み方も全く異なる両者の違いを作っているのは、「蒸す」という工程です。緑茶は、蒸すことで酸化酵素を止め、葉が持つ成分をそのまま閉じ込めるので、いれるときに自然の甘みが出ます。一方、紅茶は、酸化酵素の働きを促すことで葉に新たな成分を生み出します。いれるときには高い香りと深い苦渋味が出ます。もとは同じ木ですが、色も香りなど性質の全く違うお茶になるのです。

おいしいお茶のいれ方

おいしいお茶をいれるときに大事なことは、この3つです。

温度 時間 葉の量

お茶の渋み(タンニン)と苦み(カフェイン)は、いれるお湯の温度が高いほど出ます。渋いお茶が好きな人や眠気を覚ましたい時は、熱めのお湯でいれると良いでしょう。お湯の温度に関係なく、いれる時間を長くすると出てくるのが旨み(テアニン)です。渋み、苦みを抑えて、まろやかな旨みを引き出したいときは少しぬるいお湯でじっくりいれると、旨みの出たお茶を味わえます。葉の量は1人分をいれるときでも急須の底が隠れるぐらい入れると良いでしょう。
※茶葉の量は「お茶の個性を引き出すいれ方」コーナーで紹介しています。

対流のイメージ アドバイス
温度と時間はいわば反比例の関係です。高温なら短かめ、低温なら長めと覚えておくとよいでしょう。また急須は中に茶漉しがセットできるものより、茶葉が湯の中でゆったり対流するもののほうがお茶の味がよく出ます。

お茶の個性を引き出すいれ方

煎茶…茶葉の80パーセントをシェアする最も代表的なお茶
持ち味 お茶の渋みと甘みが調和するさわやかさ
ポイント 少しぬるめのお湯を使って浸出させる。
(1~3客分/1客分50~60cc)
1 茶葉は、急須の底が見えなくなるぐらいたっぷりと入れます(大さじ山盛り2杯分)。
2 沸騰した熱湯をいったん茶碗に注いでから、急須にさっと注ぎます(適温80℃)。
3 急須の蓋をして1分間。決して揺すらず、茶の葉のよりが自然にほどけるのを待ちます。
4 茶碗に注ぎます。二煎目以降のお茶を頂くためにも、うまみが凝縮された最後の一滴までしっかり茶碗にしぼりきります。山吹色のお茶の色は美味しくいれられた証拠です。
  煎茶は三煎目まで楽しめます。急須に2回目の湯を注ぎいれるまで、急須の蓋を少しずらし中が蒸れないようにしておきます。二煎目からは湯を入れたあとすぐ茶碗にいれます。
茶葉は、急須の底が見えなくなるぐらいたっぷりと入れます(大さじ山盛り2杯分)。
沸騰した熱湯をいったん茶碗に注いでから、急須にさっと注ぎます(適温80℃)。
煎茶は三煎目まで楽しめます。急須に2回目の湯を注ぎいれるまで、急須の蓋を少しずらし中が蒸れないようにしておきます。二煎目からは湯を入れたあとすぐ茶碗にいれます。
玉露…栽培に手間を要する贅沢な高級茶
持ち味 まったりとした甘みと濃厚な旨み
ポイント ゆっくり湯冷まししたお湯で時間をかけていれる。
(1~3客分/1客分20~30cc)
1 茶葉は、急須の底が見えなくなるぐらい入れます(大さじ山盛り2杯分)。
2 沸騰した熱湯を1つめの茶碗にたっぷり注ぎ、2つ目、3つ目へとゆっくり移し変えます。それから急須へ注ぎます。 (適温60℃)。
3 急須の蓋をして1分半~2分間、決して揺すらず、茶の葉のよりが自然にほどけるのを待ちます。
4 茶碗に注ぎます。二煎目以降のお茶を頂くためにも、うまみが凝縮された最後の一滴までしっかり茶碗に注ぎきります。1人分の量は茶碗の3分の1ほどです。
  少しのお茶に甘みと濃厚な旨みが凝縮されていて、一口で満喫できるのが玉露の最大の特長です。
沸騰した熱湯を1つめの茶碗にたっぷり注ぎ、2つ目、3つ目へとゆっくり移し変えます。それから急須へ注ぎます。 (適温60℃)。
急須の蓋をして1分半~2分間、決して揺すらず、茶の葉のよりが自然にほどけるのを待ちます。
茶碗に注ぎます。二煎目以降のお茶を頂くためにも、うまみが凝縮された最後の一滴までしっかり茶碗にしぼりきります。1人分の量は茶碗の3分の1ほどです。
少しのお茶に甘みと濃厚な旨みが凝縮されていて、一口で満喫できるのが玉露の最大の特長です。
ほうじ茶…価格も手頃で普段使いにぴったり
持ち味 苦味が少なく、さっぱりと香ばしい
ポイント 熱いお湯を一気に入れて香りをたたせる。
(1~3客分/1客分60~70cc)
1 茶葉は、煎茶、玉露よりも多めで、急須の底が見えなくなるぐらいたっぷり入れましょう。(大さじ山盛り3杯)
2 沸騰した熱湯を一気にたっぷり急須へ注ぎ、決して揺すらずおよそ30秒待ち、最後の一滴までしっかり茶碗に注ぎきります。
  煎茶の栽培工程で固い葉や、二番摘み後の葉で作られることが多く(総じて番茶)、高温で炒って仕上げる。独特の香ばしさが特長です。
茶葉は、煎茶、玉露よりも多めで、急須の底が見えなくなるぐらいたっぷり入れましょう。(大さじ山盛り3杯)
沸騰した熱湯を一気にたっぷり急須へ注ぎ、決して揺すらずおよそ30秒待ち、最後の一滴までしっかり茶碗にしぼりきります。
煎茶の栽培工程で固い葉や、二番摘み後の葉で作られることが多く(総じて番茶)、高温で炒って仕上げる。独特の香ばしさが特長です。

お茶豆知識2 ほうじ茶は家でも作れる!?
ほうじ茶は、簡単に作ることができます。油気のないフライパンや鍋に煎茶や番茶類の葉をまんべんなく広げ、弱火で左右に振りながら数分間炒ります。茶葉のかさ(量)が増え、きつね色になったらできあがりです。
※煙が出るので、換気をしましょう。

今回、お話をうかがったのは
一保堂茶舗 企画部企画広報室 尾崎美和さん 一保堂茶舗 企画部企画広報室 尾崎美和さん
「自分好みの味を自由に引き出せるのが、日本茶の良さであり奥深いところですね」と尾崎さん。日本茶は、お湯を注いでから煎茶で1分の待ち時間と短期戦です。それだけにわずかな差が味に大きく影響します。「おいしさを作る1分を大切にして下さいね。きっと今までとは違う、本来のお茶の風味に驚くはずですよ」と話してくれました。
一保堂茶舗 一保堂茶舗
京都市中京区寺町通二条上ル TEL:075-211-3421
http://www.ippodo-tea.co.jp/
筆や和紙などの和文具店や古美術店が並ぶ寺町通。京都御所や鴨川にも程近い場所に「一保堂茶舗」はあります。創業は290年前の享保年間(1717年)。店名の由来は、弘化3年(1846年)山階宮(やましなのみや)より、「茶、一つを保つように」と屋号を賜ったことから。今では全国に62店舗を展開し、本店となりの喫茶「嘉木」では、季節のお菓子とともに日本茶を味わうことができます。 また一保堂茶舗さんでは、日本茶を豊かに楽しんで頂くため定期的に教室を開いています。

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